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源実朝(鎌倉右大臣)と、
その和歌。
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[2009.11.20]
先頭頁「ただいまの歌」を黒髪の歌に更新しました。定家所伝本299番。「恋」ではなく「冬」に収められた、男女の間というものを単に写真に撮ったような一首です。

むばたまの妹が黒髪うちなびき冬ふかき夜に霜ぞ置きにける
(読み:むばたまのいもがくろかみうちなびきふゆふかきよにしもぞおきにける)
(意:ひとり寝に、うちひろがるそのひとの黒髪に、深い冬の夜の間に、霜の白がいよいよふりかかる。)


万葉集に本歌があり、それは次の二首。いずれも、よみびと知らずの歌です。

ぬばたまの妹が黒髪今夜もかわがなき床に靡けて寝らむ
君待つと庭のみ居ればうち靡くわが黒髪に霜ぞ置きにける

上記の二首を単純につなげただけの歌といえばそのなりたちは正解となりますが、しかし「冬ふかき夜」を接着剤にしてただつないでみたところにこそ手柄がある、というような一首です。折により飽きもする感傷といったものが見事に排除され、絵画というよりもなお冷涼な、写真のように詠めます。


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