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源実朝(鎌倉右大臣)と、
その和歌。
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[2009.3.3]
先頭頁「ただいまの歌」を“黒”に更新しました。堀田善衛『方丈記私記』(昭和46年)に、「源実朝に「黒」という、まことに和歌の題としても異常、というよりは、破格な題の歌がある」とあり、破格だというので、意もいっそ破格に、枕詞の“うばたまや”を外に出しました。

うばたまや闇のくらきに天雲の八重雲がくれ雁ぞ鳴くなる
(読み:うばたまややみのくらきにあまぐものやへぐもがくれかりぞなくなる)
(意:黒よ、闇空に厚く積もる雲の中、姿見せず雁が鳴く、暗黒よ。)

堀田善衛は『方丈記私記』の中で、日本中世の「黒」い乱世ぶりにふれるにあたって、実朝のこの歌を掲出しています。「黒」という題からして異常であり破格であるとしたあと、さらにこう続けています。

「これではまるでどこもかしこも真ッ暗、真の闇である。その「黒」い闇のなかで見えるもの、いや聞こえるものもまた無気味な雁の鳴き声だけである。」

堀田善衛はまた、『定家明月記私抄続篇 』(昭和63年)の中でも、同様の意図でこの歌を取り上げています。

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